『「差をつける」よりも「差をなくす」努力を』
たまに、「格差をつける」ことに躍起になっている経営者や管理職をお見かけします。
そうした方々に、「何のために評価しているんですか?」、「報酬って何だと思われますか?」と伺うと、「成果をあげた人に報いるため」、「モチベーションを高めるもの」などの返答が多いです。
でも不思議なことに、そうした企業の従業員は決して充実感が大きいわけでも、やる気に満ち溢れているわけでもないようです。
特に格差組織の中で底辺近くに位置づけられている従業員の中には、まるで精気のない顔つきをしている方も目立ちます。
職場全体の傾向としても、人間関係や労務的なトラブルが多く、休職者や離職者も後を絶たないケースが見受けられます。
もっと残念なケースだと、従業員の間で「差をつける」ことが目的化してしまっていて、「(他人の評価が上がらないように)うまいやり方を教えない、情報を伝えない」など、足の引っ張り合いのような事が起きている例も。。。
いずれの職場でも、「従業員のモチベーションを高める」ことがねらいだったにも関わらず、です。
そんな経緯があって、今、アメリカ発の実力主義の見直しが叫ばれてから数年以上が経ちました。
逆の方法で、つまり「格差をなくす」方向で取り組んでいる企業はどうでしょうか。
- 「できる」人が、「できていない」人を育てる。
つまり、「できていない」人に「できる」人の行動を真似させる。
- 評価の目的は「差をつける」ことではなく、「育てる」こと。
つまり、「評価」=「育成のためのひとつの手段」と捉える。
こうした「育て合い」、「ボトムアップ」の発想で人に向き合う企業の方が、より働がいのある職場づくりに成功し、従業員の方々の顔つきもイキイキしていることが多いと、肌で感じる今日この頃です。
行動分析学マネジメントの考え方を、もっと広めて参ります。