「足し算の人材育成」
たとえば、部下の電話応対レベルを引き上げたい場合。
現在、部下はこのような事ができるとします。
- 明るい、はっきりとした声で話せる。
- あいづちを打ちながら相手のペースに合わせて話を聞ける。
- 正しい敬語で話せる。
- 印象を和らげる「恐れ入りますが」
などのクッション言葉を使える。 - (ちなみに行動分析学では、これらの既に身につけている行動を、部下の「
行動レパートリー」といいます)
そして、さらなるレベルアップを目指した次のステップがあるとします。
たとえば、「全ての商品に関する質問に即座に答えられる」など。
この時、旧来の日本での「引き算」思考では、
「まだ商品知識が十分じゃないな。
理想とする100点満点の状態を起点にして、
「(100点満点には)まだ10点足りないな。
ここでちょっと考えてみてほしいのです。
このように言われた部下はどう思うでしょう?
「そうだ!あと10点だ。まだまだやるぞ!!」
声をかけた側は、きっとこんな風に奮起してほしいと願っているのではないでしょうか。
たしかに、そのように奮起する部下もいるでしょう。
でもいつもこのように求められてばかりの状況が続くと、このように疲弊してしまう事も実際には多いものです。
「これまでだって一生懸命やっているのに」
「いつまでやればいいんだろう」
「やってもやっても次を求められるだけだから、言われた事だけを怒られない程度にゆっくりやっていこう」
それに対して、部下が自ら学ぶように促す「足し算」
「四つのポイントをしっかり押さえられているね。」
「さらに商品説明も上達させるために、どんな風に学びたい?」
まず部下の現状を認めて、
「90点もできているね。さらに10点上げるために、
もしあなたが部下の立場だったら、
「楽しい」「心地いい」ことは、「つまらない」「苦しい」
ある一時だけ無理やり詰め込めばいいのであれば、「
でも、あなたの部下には、これからもずっと学び続け、
もしそうであれば、学ぶ事それ自体が本人にとっての「
つまり、「学んだ結果、良い事があった」部下がこのように感じられることが大切なのです。
学びは強制されるもの、仕方なくやらされること、