伝わりやすい表現とは


「客観的で具体的な行動を表現する」

あなたは、次のうちどれが「客観的で具体的な行動表現」だと思いますか?

  1. 彼はやる気に満ち溢れている。
  2. 私は根性なしだ。
  3. 他の人ができる事をできない。

行動分析学では、次のいずれかに当てはまる動作を「行動」といいます。

  • 目に見える。
  • 耳で聞こえる。
  • 数えられる。

シンプルですよね?
そして、この条件に当てはまれば、誰の目から見ても、客観的な事実は同じだと思いませんか?

たとえば、上司から「お前は本当にやる気がないな!」などと言われた部下は、
「何言ってるんですか。やる気ありますよ」と反論したい気持ちでいっぱいかもしれません。
そんな気持ちで指導を受けていては、素直に聞き入れることもなかなか難しいでしょう。

でも、「毎日やることになっている点検を、昨日・一昨日としていないでしょ」と言われたら、
誰から見ても同じ事実を見ているし、間違ったレッテル貼りを避けられると思いませんか?

それに、「やる気のない人にやる気を出させる」よりも、「日常点検を忘れないようにする」方が
(心理ではなく)直接行動に働きかけられる分、対策が打ちやすいと思いませんか?
(たとえば、点検表をデスクの横に貼ってチェックするとか、上司と一緒に確認するなど。)

冒頭のクイズの三番目で示した「他人との比較」も、何かの動作それ自体を表しているわけではなく、
他人との比較状況を示しているだけですので、行動ではありません。
「比較するなら、過去の自分と」部下育成の鉄則ですので、お忘れなく。


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