「会話の回数を記録する」
昨日は、会話の回数を増やすことで信頼関係を深められることをお伝えしました。
http://tsunagu-concierge.jp/2015/12/07/mailmagazine-backnumber-192/
それでは、職場での会話の回数を増やすには、具体的に何をすればいいのでしょうか。
大きなポイントは三つです。
今回はまず「計測」について考えてみましょう。
行動分析学マネジメントでは、新たに身につけたい/身につけさせたい行動(=「ターゲット行動」と呼びます)の定着度を測るために、その行動がとられた頻度の変化を捉えます。
まずはじめに、新たな取り組みを始める前(=「ベースライン期」と呼びます)の会話の回数を数えましょう。
(添付ファイルをご参照なさってみてください)
現状を把握するだけでも、課題がはっきりとしそうですね。
ご参考までに、ここで見られる相手による会話回数のばらつきは、そのまま仕事の連携のしやすさや信頼度と相関していることが非常に多いです。
つまり、回数の多い相手とは仕事もうまくいっているという事です。
行動分析学マネジメントでは、このベースライン期の回数が新たな取り組みによってどのように変わっていくのか、その推移を観察することで成果を測ります。
また、毎日体重計に乗っているだけでダイエットに成功する人がいるように、
行動回数の計測を続けることは、それ自体が望ましい行動の継続を促す効果をもたらします。
たとえば、特定の相手との会話の回数が少ないと自覚すれば、
どうすればその回数を増やせるのだろうと考えるのが自然な心理だからです。
あるいは、回数が増えていく事実を目に見える形で認識する事によって、達成感が得られるという理由もあります。
組織の人間関係で悩まれている方は、まずは一週間だけでもこの記録をつけてみませんか。
相手による会話回数のばらつき、そしてその差がそのまま心理的な距離感の差になっていることに驚かれると思います。
そして現時点の状況を正確に捉えた上で、これから先、誰とどのような会話を増やしていくべきなのかを考えていけばいいのです。
一日の仕事の最後に、手帳の隅に「正」の字で職場のメンバーとの会話の回数を記録する。
この3分の作業が状況打破の鍵になるかもしれません。
次回は、話しかけ方、話しかけられ方の工夫についてお伝えします。