何でもいいから褒めるべき?


「増やしたい行動を認める」

先日、北海道中小企業家同友会(経営者の学びための団体)の青年部会で行動分析マネジメントとホテルオークラでの取り組みについてお話した際、このようなご質問を頂きました。

「何でもかんでも褒めていたら調子に乗ってしまうのではないか」

ここでいう「調子に乗る」が、具体的にどのような行動を指しているのか定かでないのですが、
一般的な解釈でお話を進めさせて頂きますと、「良い行動」「望ましい行動」を繰り返し、
増えるように「褒める」わけですから、どんどん調子づいてもらったらいいと思うのです。

そもそも「望ましい行動」を増やそうと褒めることと、
たとえば「人の話を謙虚に聞かなくなる」などの「望ましくない行動」が増えるという事態の間には、因果関係がありません。

少なくとも行動分析学の100年以上の研究の歴史の中では、そのような実験結果は報告されていません。

ただ一点留意が必要な点があるとすれば、あなたが相手を認める際には、
「望ましい行動」を対象にする、という事です。

相手に対して尊大に接している人に対して、「すごいですね」「さすがですね」などと言っていたら、
その行動が強化されてしまうかもしれません。「尊大な受け答え」が増える可能性があるということです。

たとえば、このような事は考えられませんか。

部下に対して威圧的に接している上司に対して、
「さすが小室課長はピリッとしていますね」と周りの人達が褒めそやす。

これが仮に「部下の話をよく聞く、温かいサポーターのような上司」を育成方針に掲げる組織であれば、方向性が逆ですよね。
小室課長の威圧的な対応を行動強化してしまっているわけですから

「良い行動を褒める」ことで、「良くない行動が増える」ことはありませんが、
「どんな行動を認めるか」は、日頃から強く意識していきましょう。

▼こちらから「行動強化」についての解説をご覧いただけます。
http://tsunagu-concierge.jp/2014/12/19/mailmagazine-backnumber-8/


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